全員重任の変更登記書類の書き方入力画面の各欄に何を書くか
取締役・監査役が任期満了と同時に再び選ばれる「全員重任」の登記書類を、変更登記メーカーで作るときの書き方です。入力画面の各欄にある「この欄の書き方」から、このページの該当する項目に直接移動できます。画面の例は架空の会社(株式会社見本商事)です。
始める前に用意するもの
- 登記事項証明書役員の氏名・代表取締役の住所・機関設計・資本金を、登記どおりに写すため
- 株主総会の日付と決議の内容決議日・重任日と、総会に出席した役員を入れるため
- 株主名簿株主リストに、議決権の多い順に株主を書くため
- 法人番号(13桁)会社の情報を自動で入れるため。国税庁の法人番号公表サイトで調べられます
会社の情報を入れる
最初の画面「変更登記申請書」の上の部分です。右側に申請書のプレビューが出て、入力した内容がそのまま反映されます。

会社の機関設計
要点取締役会の有無と、代表取締役の決め方を選びます。代表取締役を定めていない会社(取締役が1人の会社を含む)は「各自代表」を選びます。
取締役会を置いているか、置いていない場合は代表取締役をどう決めているかを選びます。選んだ内容で、作られる書類が変わります。取締役会設置会社は取締役会議事録、互選の会社は互選書、株主総会で代表取締役を選ぶ会社は株主総会議事録に代表取締役の選定の議案が加わります。
取締役会があるかは、登記事項証明書の「取締役会設置会社に関する事項」でわかります。取締役会がない会社で、代表取締役の決め方がわからないときは、定款の代表取締役の条文を見ます。代表取締役を定めていない会社(取締役が1人の会社を含む)は「各自代表」を選びます。この場合は取締役全員が代表取締役として、住所も登記されます。
確かめる書類:登記事項証明書の「取締役会設置会社に関する事項」、定款(代表取締役の定め方)
会社法人等番号
要点13桁の法人番号を入れると、商号・本店所在地などを取り込みます。取り込んだ内容が登記事項証明書の表記と同じか確かめてください。
13桁の法人番号を入れると、国税庁の法人番号公表サイトから商号・本店所在地・フリガナ(届出がある場合)を取り込みます。申請書には、法人番号の先頭1桁を除いた12桁が「会社法人等番号」として記載されます。
法人番号は、国税庁の法人番号公表サイトで会社名から検索できます。取り込んだ商号・本店は、登記事項証明書の表記と同じか確かめてください。
確かめる書類:国税庁 法人番号公表サイト、登記事項証明書の「会社法人等番号」
重任する役員を入れる
同じ画面を下に進むと、役員を1人ずつ入れるカードがあります。重任する役員を全員入れます。「この欄の書き方」は最初のカードにだけ出ます。

氏名・役職
要点登記事項証明書の「役員に関する事項」の表記どおりに、字体まで同じに入れます。代表取締役は役職で「代表取締役」を選びます。
登記事項証明書の「役員に関する事項」の表記どおりに入れます。「髙」「﨑」のような字体も登記と同じにします(画面の例の「髙橋 次郎」)。
代表取締役は役職で「代表取締役」を選びます。登記すべき事項には、取締役と代表取締役の両方として入ります。
このフォームは、登記されている役員が全員そのまま再び選ばれた場合に使います。辞任・退任した人や、新しく選ばれた人がいる場合は「役員の一部交代」のフォームを使います。
確かめる書類:登記事項証明書の「役員に関する事項」
重任日
要点任期が満了した日に再び選ばれ、就任を承諾した日です。総会の場で承諾した場合は、総会の日(決議日)と同じです。
任期が満了した日に再び選ばれ、就任を承諾した日です。定時株主総会で改選し、その場で承諾した場合は、総会の日(決議日)と同じです。登記すべき事項の「原因年月日」になります。
就任を承諾したのが総会の日より後になると、任期満了の日に就任していないため「重任」ではなく「退任」と「就任」の登記になります。この場合は登記すべき事項と議事録を書き直す必要があります。
確かめる書類:株主総会議事録の日付、就任承諾書の日付
代表取締役の住所
要点登記事項証明書の住所を、丁目・番地の書き方まで同じに入れます。今の住所と違う場合は、住所の変更登記も必要です。
代表取締役は住所も登記されます。登記事項証明書の住所を、丁目・番地の書き方まで同じに入れます。郵便番号から市区町村まで入れることもできます。
引っ越しなどで、登記されている住所と今の住所が違う場合は、住所の変更登記も必要です(「役員の住所・氏名変更」のフォームで作れます)。
確かめる書類:登記事項証明書の「役員に関する事項」、住民票
株主総会に出席したか
要点総会に出席し、その場で就任を承諾した役員は、就任承諾書を別に作らずに済みます。欠席した役員は「欠席(書面承諾)」を選びます。
株主総会に出席して、その場で就任を承諾した役員は、議事録に「席上その就任を承諾した」と書くことで、就任承諾書を別に作らずに済みます。申請書には「就任承諾書は、株主総会議事録の記載を援用する。」と入ります。
取締役会設置会社と互選の会社では、代表取締役としての就任の承諾は、代表取締役を選んだ取締役会の議事録・互選書で行います。このツールは代表取締役がその場で承諾した前提で、申請書に取締役会議事録(互選の会社は互選書)の記載も援用すると書きます。その場で承諾していない場合は、代表取締役としての就任承諾書が別に要ります。
欠席した役員は「欠席(書面承諾)」を選びます。その役員の就任承諾書が作られるので、本人が押印します。重任の場合、就任承諾書の印鑑は認印でかまいません(印鑑証明書は要りません)。
確かめる書類:株主総会議事録(出席した役員)
登記すべき事項を確かめる
役員を入れ終えると、申請書の「登記の事由」と「登記すべき事項」が自動で作られます。監査役がいる会社では、監査の範囲の欄も出ます。

監査役の監査の範囲(会計限定)
要点定款に監査役の監査の範囲を会計に限定する定めがあり、その旨がまだ登記されていない会社がチェックします。
定款に「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する」定めがある会社は、平成27年5月1日以降、最初に監査役の重任・就任の登記をするときに、その旨も登記します。平成18年5月1日(会社法の施行日)当時に資本金1億円以下で、負債の合計が200億円未満だった株式会社は、定款を変えていなくても、この定めがあるとみなされていることがあります。
チェックすると、登記の事由と登記すべき事項にその旨が加わり、添付書類に定款(または株主総会議事録、定めがあることを証する代表取締役の証明書)1通が加わります。
登記事項証明書の「役員に関する事項」に「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある」とすでにある会社、この定めがない会社はチェックしません。
確かめる書類:定款(監査役の条文)、登記事項証明書の「役員に関する事項」
決議日(株主総会の開催日)
要点役員を選んだ株主総会の日です。株主リストの日付にもなり、確認画面にはこの日から数えた申請期限が出ます。
役員を選んだ株主総会の日です。役員の変更登記は、変更が生じた日(重任日)から2週間以内に申請します(会社法915条1項)。総会の場で就任を承諾した重任では重任日と決議日が同じになるので、確認画面にはこの日から数えた申請期限が出ます。
株主リストの「上記の年月日」にもこの日が入ります。期限を過ぎても申請はできますが、会社ではなく、申請の義務を負う代表者(代表取締役)個人に100万円以下の過料が科されることがあります(会社法976条1号)。
確かめる書類:株主総会の招集通知、株主総会議事録
登記すべき事項
要点役員の欄から自動で作られ、ふつうはそのまま使えます。直接書き換えると自動では直らないので、作り直すときは「リセット」を押します。
役員の欄から自動で作られます。法務局の記載例と同じく、役員ごとに「役員に関する事項」「資格」「氏名」「原因年月日」を並べ、代表取締役には「住所」が入ります。ふつうはそのまま使えます。記載例は機関設計ごとに3種類あり、入力画面の「法務局 記載例PDF」からは、選んだ機関設計の記載例が開きます。
直接書き換えると、そのあと役員の欄を変えても自動では書き直されません。役員の欄から作り直すときは「リセット」を押します。
確かめる書類:法務局の記載例(選んだ機関設計に合うもの)
申請書の残りの欄を入れる
申請日・申請人・連絡先・申請先など、申請書の下のほうの欄です。申請人の住所は、代表取締役のカードの住所から自動で入ります。

資本金の規模(登録免許税)
要点資本金の額が1億円以下なら1万円、1億円を超えるなら3万円です。選んだ金額が申請書と収入印紙貼付台紙に入ります。
役員の変更登記の登録免許税は、資本金の額が1億円以下なら1万円、1億円を超えるなら3万円です(登録免許税法 別表第一 24号(1)カ)。選んだ金額が申請書と収入印紙貼付台紙に入ります。
収入印紙は郵便局などで買い、収入印紙貼付台紙に貼ります。割印はしません(消印は登記所が行います)。
確かめる書類:登記事項証明書の「資本金の額」
代理人が申請する
要点司法書士や従業員など、代表取締役以外の人が申請書を出すときにチェックします。代理人の欄と委任状が作られます。
司法書士や従業員など、代表取締役以外の人が申請書を出すときにチェックします。代理人の住所・氏名を入れると、申請書に代理人の欄が入り、委任状が作られます。
代理人が申請する場合、申請書には代理人が押印し、代表取締役の押印は要りません。委任状には、代表取締役が登記所に届け出た印鑑(会社の届出印)を押します。
代表取締役が自分で窓口に出す・郵送する場合は、チェックしません。
確かめる書類:代理人の住所・氏名(本人確認書類どおりの表記)
申請先(法務局)
要点本店所在地の住所から、申請先の法務局を自動で判定します。違うときは「手動で変更」から入れ直してください。
登記は、本店所在地を管轄する法務局(支局・出張所を含む)に申請します。本店所在地の住所から自動で判定して、申請書の宛先に入れます。
判定できなかったときや、判定結果が違うときは「手動で変更」から入れ直してください。管轄は法務局のサイト「管轄のご案内」で確かめられます。申請は窓口のほか、郵送やオンラインでもできます。
確かめる書類:法務局「管轄のご案内」
議事録の本文を確かめる
2つ目の画面から、議事録の本文を作ります。役員の欄をもとに、法務局の記載例に沿った文が自動で入ります。取締役会設置会社では、株主総会議事録と取締役会議事録の2つの画面があります。

議事録の本文
要点自動で入る文は記載例をもとにした一例です。実際の総会・取締役会に合わせて、日時・場所、株主の数と議決権の数などを書き換えます。
自動で入る文は、法務局の記載例をもとにした一例です。実際に開いた総会・取締役会に合わせて、開催の日時・場所、株主の数と議決権の数、ほかの議案(決算の承認など)を書き換えます。
株主総会議事録の結びは、記載例に合わせて、取締役会のある会社は「記名する」、取締役会のない会社は「記名押印する」にしています。取締役会のない会社では、代表取締役の選定や就任承諾の援用で、議事録に押した印鑑の印鑑証明書が要ることがあるためです。
取締役会議事録には、出席した取締役・監査役全員が記名押印します(会社法369条3項)。
代表取締役を選んだ書類には、押す人の実印と印鑑証明書が要ります。取締役会で選ぶ会社は出席した取締役・監査役全員、株主総会で選ぶ会社は議長と出席した取締役、互選の会社は互選書に押す取締役です(商業登記規則61条6項)。ただし、変更前の代表取締役が会社の届出印を押していれば、印鑑証明書は要りません。
確かめる書類:定款(議長・議事録の記名押印の定め)、総会・取締役会の実際の内容
確認して印刷する
最後の画面に、作られる書類と押す印鑑、自社で用意する書類、登録免許税、申請期限がまとめて出ます。「印刷する」で全部の書類をまとめて印刷できます。

印刷したあとにすること
- 申請書に、代表取締役が登記所に届け出た印鑑(会社の届出印)を押す。代理人が申請する場合は代理人の印鑑を押す
- 申請書は収入印紙貼付台紙・登記すべき事項と合わせて複数ページになるので、ページのつづり目に申請書と同じ印鑑で契印する
- 収入印紙を収入印紙貼付台紙に貼る(割印はしない)
- 議事録・就任承諾書・委任状に、確認画面に出た印鑑を押す
- 法務局の窓口に出すか、郵送する。申請期限は、重任日(ふつうは株主総会の日)から2週間以内
手続き全体の流れは全員重任登記の手続き方法で説明しています。

